これをやったのはずいぶん前のことなんですが、押入れの中を整理するために簡単に棚を作って使っています。材料代はこの棚一つに付き当時は1000円程度で済みました。(2022年時点ではもう少し高くなります)
材料は手っ取り早く、断面が30×40mmの杉の胴縁を使いました。胴縁はそれ一本ではそんなに強度が高いものではないんですが、お手頃価格で手に入れることができる材料で、うまく加工すれば強度も出すことができます。
なんといっても杉は軽くて扱いやすいので、出来上がった後の移動もそれほど苦痛にはならないところがよいです。しかも押入れは普段開けておくようなものでもないので、そこそこ仕切りが作れればいい。胴縁で棚もこしらえてしまえば、通気性もいいし悪くないのです。というわけで、こんなんで十分かなという感覚でやっています。
材料について
乾燥束の杉胴縁(30×40×2000mm)を6本入のをちょうど1束使う計算で考えました。
お店によってはバラ売りしているところもありますが、だいたい6本で1000~1200円程度で買えました。前は1本150円換算で買えてた時もあったんですが、最近は値上げしてしまって200円~220円くらいの単価となってしまいました。(多分、地域によって価格は変わると思います)
2022年現在は、とにかく木材が高くなってしまったのでおいそれと手出しはできないところがあるんですが、いつかまたお手頃価格へもどってくれることを願っています。
それでも6フィート(1820mm)の1×4材を使うよりも長く材料がとれますし、少しお得感はあるんですよね。
胴縁も種類がありますが、室内で使うときは必ず乾燥しているものを選んでください。
しかし乾燥束として売られていても、たまに重量を感じる木材があります。手当り次第で選ばないで、持ち上げてみてできるだけ軽い物がいいです。
湿った木材も放っておけばいづれ乾燥しますけど、後の変形の度合いが半端ないのでおすすめしません。
寸法と材料カットの考え方
一般的な押入れのサイズ目安ですが、だいたい高さは600mm~700mm、奥行き800mm程度で収まるようになっています。これまで賃貸のアパートを転々としてきましたが、どこもそれくらい。しかし稀に変則的なところもあるので、先に設置箇所のサイズは計測しておきましょう。
最初に「側」を決める
設置サイズを決めることはもちろんですが、設計の段階で組み立ての順番もイメージすることもすごく大事なことです。
板材ではなく角材でこのような棚を作るときは、図の青い部分の側面から決めていきます。ここのサイズさえ決めてしまえば、あとは横幅はいかようにもできるのです。
我が家の押入れは、高さが700mm、奥行き840mmだったので、少し余裕をもたせて寸法を決めたわけですが・・、
材料を細かく分けて余りを出すのは面倒だったので、いっそのこと青い部分は全部600mmで統一。
ここで注意すべき点は、側の真ん中に入れる補強みたいな部分、図では4,5,9,10の番号の部分ですね。ここで、棚板の高さを決めておくことがポイントです。
棚を3段にしたければ図のように奥行きまでの軸を3本使うことになりますが、2段で考えたいときは2本だけ入れる方向で大丈夫です。
横幅を決める
横幅は余りの材料から計測してサイズを決めます。しかしあまり長く取っても耐荷重が弱まっていくので・・・
私の感覚ですと、同じ厚さの材料を使うなら奥行きと高さに合わせたサイズくらい・・かなと。
棚板となる部分は、当然すべて同じ長さでとります。
見ての通り、胴縁を橋渡しにしておけば補強にもなりますし、物が落ちない程度の棚にもなれます。通気性がいいというメリットもあったり。
ただし、細かいものを載せないのであれば、ですが。
すきまがあるのが嫌なら、胴縁を縁にしてベニヤ合板などを貼って棚板にしてもいいと思います。
胴縁6本束の材料とり
というわけで「先に側板を作ってから横幅を決める」という考え方さえ定着してしまえば、大抵の棚は組み立てやすくなるんじゃないでしょうか。
例えば図のような3段の棚を作るときの材料のとり方は、こんな具合です。
横幅は700mmで考えていますが、面倒であればすべて600mmでカットしてしまってもいいと思います。
ホームセンターでカットを使える時も簡単ですしね。
組み立て方
組みあげる順番は先に側板を作ってから、棚板へ・・ということになりますが、今度はもっと細かい話を。
手持ちがあるのに、新しいものを作るたびに丁度いいビスを買うのはちょっとなあ・・という時があると思います。
長い分にはいいんですけど短いものしかないときは、少し座ぐりを入れてからビスを打ち込んでおきましょう。
こんな感じで入るイメージ。
8mmのドリルで1cmくらい穴を開けてから、下穴をあけてビスを入れる。
これで間に合わせることは可能です。深く彫りすぎると、強度が落ちていくので頃合いは見て決めてください。
それと1箇所に付きビス1本だと角材が回ってしまうので、できれば2本使うのが理想的です。あんまり無理すると材が割れてしまうので、気を使うんですけども。特に直角に角材を固定する時はビスがぶつからない位置を見ながらやっていきましょう。
できあがりのイメージ
実際は同じサイズの2段の棚を2つ作り、胴縁2束で仕上げたんですが、束一つ分で換算すると3段でも作れるよという感じで話してみました。
これくらいなら材料をほとんど余らせることなく作ることができますし、単純な構造なので棚板の位置にしっかり印をつけておけば、組み立てるのは30分もかからずにできあがります。事前のヤスリがけの方が時間かかって大変なんですが・・。
1段目、2段目の棚の奥行きを変えてあるのは、物を取りやすくするためにあえてそうしました。どうせ上段には小物しかおかないし、それなのに奥の方まで置けるようにすると、奥へ置いたものは出し入れも面倒で目が届かないから使わなくなるんですよ。
だったら使うものだけ厳選して取り出しやすくしとこうや、というわけで階段状に棚を作っています。
2段めの棚はシンプルにこれだけ。
実は今回ちょっと工夫した点がありまして・・
一番上の段は、杉の荒材をひっかけて羽目板みたいな感覚で棚板をはずせるようにしてあるんですね。厳密に言うと羽目板とは違う形なんですが、好きな幅でつなぎ合わせてえるみたいな。
この板は2段目でも使えるようにしてあります。なので、1段目でも2段目でも好きな箇所へ板を部分的に移動して、あらゆるタイプの物を置くことができるようにしておきました。板を貼っちゃうとてっとり早くて丈夫だけど、後で解体して運ぶことを思えばこんなやり方もあるのです。
本当はこういうひっかけ系はトリマーとか使ってきれいに溝が入れられると最高なんですけどね・・。
主にキャンプ道具を整理するために作った棚なんですが、テントやマットを取りやすく収納するにはなかなかよいです。
1000円程度でちょっとした仕切りを作れるなら悪くないですよね。既製品でなんとかしようとすると結構悩むので。
もしこういった棚に布団を乗せて使いたい時は、シングルだと横幅105cmくらいはほしいんですよね。その時は間にもう少し補強をいれたり、根本的に設計が変わってくるのかなあと思います。
自分で棚を作れると入れる中身に合わせてちょくちょく形を作り変えやすいのがいいなあと思ってます。
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