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杉の荒材で作る丈夫な木箱の作り方。

箱物

比較的安く手に入る杉荒材で20㎏くらいなら運べるかなという、底が抜けにくい木箱を作りました。作り方の参考にどうぞ。

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できあがりの寸法と材料について。

【出来上がりサイズ】
外寸:約〈幅38.4〉×〈高さ27〉×〈奥行27.4〉㎝
内寸:約〈幅34〉×〈高さ23.5〉×〈奥行25〉㎝

オレンジページなどのちょっと大きめの雑誌でも立ててすっぽり収まる大きさです。

【使った材料】
・杉荒材 12×90×1820(6ft)…3枚
・1×1材 19×19×910(3ft)…3本・スリムビス 3.3×25
・コーススレッド(スリムビスでOK) 3.8×41

杉荒材はだいたい単価160円くらいで入手。1×1材は100円くらいで手に入るので、木材だけでかかった金額は約800円くらい。

ビスを新しく買ったとしても1000円くらいで作れるんじゃないかなあといった具合です。
塗装代は別途。

杉荒材とは。

木箱に使った材料は「杉の荒材」という1×4材よりもさらに安く手に入る木材です。

しかし荒材は安いけど、SPFのように白くスベスベしていません。切りっぱなしのものなので表面はトゲやザラつきだらけ。このまま室内で使うには気が引けるので、表面はカンナがけしたりヤスリがけをして整える必要があります。

1×4材は厚さは19mmと決まっていますけど、荒材の厚さは12mmほどで大抵5枚セットで束売りされていたりします。

また、無垢材なので湿度によって微妙に木の状態が変わります。乾燥が不十分な木材だと組み立てたあとに隙間ができたり、木が反ってしまうこともあります。なので、正確性を求めるものに使うのはあんまりおすすめしません。

多少形が変わろうが気にならない物や場所に使う方が気楽かと思います。

材料の特徴については杉材のページもどうぞ。

1×1材について。

見栄え良くスッキリとした形で、尚且つ内寸をできるだけ大きくとりたかったので1×1材を使いました。スノコの下駄みたいな役割で使っているだけなので、ビスがしっかりくいつく厚みがあれば、なんでもいいと思います。三角の角材だともっときれいですね。

ただし、桐などの柔らかい木材だったり、細すぎる木材は強度が落ちます。
もちろん接合にはボンドも併用しますけども、ここに使う木材が細いと、短いビスを使うしかなくなりますからね。もしくはボンドのみでくっつけるか。
それでも形にはなりますけども、ある程度の耐荷重がほしいならビスも併用するようにしましょう。

スリムビスとは。

ビスはコーススレッドでも構わないんですが、私は本棚や木箱などのあまり厚みのない場所へ使う時はスリムビスを使うようになりました。

コーススレッドよりもスリムビスの方が少々細い作りになっていて、先に切れ込みが入っています。

また、同じ長さのビスでもコーススレッドとスリムビスと並べてみると、皿のサイズが違います。スリムビスは専用のスリムビス用のビットもあるのでそっちを使った方が扱いやすいです。

何が違うかは両方使ってみるとわかりますが、スリムビスの方が入りやすい感覚があります。長いビスほど最後まで打ち込むのが大変なので、スリムビスを使った方がやりやすいというのもあります。パワーがあまりないドリルドライバーでもスリムビスならうまくいくっていうこともありますし。

そして皿が小さいので、ビスが目立ちにくくなるという効果もあります。

木割れしにくく、よく入っていく、それがスリムビス。でも絶対に木割れしないとは限らないので下穴をあけるに越したことはないですよ。

ただし、スリムビスはコーススレッドに比べてちょっと高いです。何でもかんでもスリムビスを使うのはもったいないので、状況に応じて使い分けるのがいいですね。

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材料の墨付けとカットの仕方

杉荒材と1×1材は以下のようにカットします。

【杉荒材】

250mm・・・10枚
384mm・・・6枚

【1×1材】

235mm・・・4本
320mm・・・3枚
250mm・・・2枚

〈235mm〉の1×1材は箱の内側にあるタテの軸になります。カットするのにキリがいいので235mmにしたんですけど、実は実寸の238mmで切り出した方が段差ができずにきれいに収まります。

また、今回は分かりやすいように材料を先にすべてカットしていますが、1×1材の縦軸になる部分(235mm)は杉板にくっつけた後にカットした方が曲がりにくく、しかも面がまっすぐにそろってきれいに出来上がります。長めに用意しておくにこしたことないですね。

材料をそれぞれ寸法どおりにカットしたらやすり掛けをして表面を滑らかにしておきましょう。

1×1材は今回は家にあった端材を使っているので、写真は穴が空いてたりするんですけどお構いなく。

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底板を作る

組立は、底板から作っていきます。

先に〈320mm〉と〈250mm〉に切り出した1×1材を並べて、

上から〈250mm〉でカットした杉板を並べて接合していきます。


図で描くとこんなイメージです。


杉板と1×1材はボンドも併用してビスも使います。ビスを留める位置に決まりはないですけど、私はこんなふうにとめています。杉板側から1×1材へ打ち込む形です。
真ん中の1×1材は補強としてつけている部分です。最後の方に両端を長めのビスで固定する形になるので、この段階でビスを使わなくてもいいかなといった具合です。

横板を作る

横板も先に作ってしまいます。

〈250mm〉の杉板3枚を〈235mm〉の1×1材で固定します。
これを左右分の2セット作ります。

この時、片側に隙間を作るように1×1材を固定します。この隙間部分に底板がぴったり入る計算になっているのですよ。このスキマは使う板の厚さ+補強に使っている角材の厚さとなっています。


とはいえ、なかなか計算通りにいかないのが無垢材です。実際は先に作っておいた底板に横板の部品を合わせてみて、現状合わせで印をつける方がうまくいきます。


写真では1×1材側からビスを打ち込んでいますが、こうすると完成時に側面から見た時にビスが見えなくなります。
ただし、ビスの食いつきが弱くなるのでボンドでしっかり圧着するように気を付けます。

反対に杉板側から打ち込むと出来上がり時にビスが見えるんですけども、より丈夫な作りになります。最後に箱の形に組み立てる時にビスの位置が見えるのでわかりやすいですし、できれば杉板側からビス留めした方がいいのかも。

前後の板をつけていく。


底板と横板さえできてしまえば、あとは箱の形に組み立てていくだけです。


底板に横板を組み合わせていき、前後に板を一枚ずつ付けていきます。


底板に合わせて左右に横板をくっつけます。


先にビスを使っている場所にぶつからないように注意しながら1×1材を目掛けてビスで固定していきます。


ビスを打ち込む場所に注意して〈384mm〉の杉板を1枚ずつ固定していきます。


前後分すべて杉板をつけてしまえば、完成です。


木箱の組立はビスを打ち込む場所を考えるところがポイントです。なので最初からあまりにいい加減な場所で固定してしまうと、最終的にうまく組立ができなくなってしまいます。

どの場所に打ち込めばぶつからないのか、先にイメージを固めてから組み立てるようにしましょう。
もちろん最後の組立でも、ボンドも使って接着することを忘れずに。

全方向から見る完成写真。


できあがりの写真を見ていきます。


横(左右)からみたところ。


前(前後)からみたところ。


ひっくり返した底の様子。

底は上げ底になっていて、補強の角材を真ん中につけています。これのお陰で簡単に底が抜けない丈夫な木箱になっています。さらに、底が抜けにくいようにビスは縦軸で留めないように配慮しています。底にビスの頭が出てしまうと床に直置きした時に床を傷つけてしまうのを防ぐためでもあります。


箱の内側を覗き込むとこんな感じ。内側からみた底はフラットなので、物が入れやすいのであります。

取っ手は、お好みでどうぞ。
穴をあけて持ち手を作ると最高なんですけど、私は糸鋸とか持ってないので、とりあえす穴だけあけてロープをつけておきました。後で穴を開けて持ち手にすることにします。。

ちょっとした注意点など

一応この作った木箱に米を入れて使っていますけども、今のところ10㎏を2つの20㎏くらいなら入れても持ち運びできています。30㎏はさすがに厳しいかも。
塗装はあったかい時期にやった方がいいので、形だけ作ってとりあえずそのまま使ってます。

しかし残念なことがひとつ。室内が乾燥しているせいか、木が縮んで隙間ができてきました。

杉荒材をお店から買ってきてすぐにカットして組み立てたのがよろしくなかったようです。おそらく木材の乾燥が足りなかったと思われます。買ってきてすぐに使わないで数日置いて乾かしてから加工するとよかったかも。もしくは、さっさと塗装してしまうとか・・?

このあたりが安く買える杉荒材のやもえない部分でしょうか。乾燥時間とか表面加工とか、微妙に手間と時間がかかるのですよ。

こういうのが許せない場合は、歪みのでにくい合板を使うのがいいかなあとは思いますけども、箱自体の重さやお財布の中身とか加工のしやすさとか、事情がいろいろありますからね。いろんな方面から考えて設計してみるとよいと思います。

ちなみにもっと耐荷重を上げたい時はさらに厚みのある木材を使うとよいです。同じ作り方でも1×4材を使えば、確実に更に頑丈な木箱ができあがりますよ。その代わり木箱自体も重量がアップします。

でもワンバイ材で作る時は厚みがしっかりしているので、また違った作り方がよさげですね。

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