仕上げの保護におすすめな物の1つに、アサヒペン 水性高耐久2液ウレタンニスがあります。
高耐久2液ウレタンニスは、水拭きOKで100度までの耐熱性を備えた強力塗膜を作れる。
混ぜ合わせる割合は主剤:硬化剤=5:1で、硬化剤は一度開けたら早めに使い切ること。塗料を使える面積の目安は、吸い込みのある面で300gセットで1.2~1.6㎡、吸い込みの少ない面で300gセットで1.8~2.3㎡。塗り方は2回塗りが基本ではあるが、ヤスリがけを施しながら3~4回ほど塗るとツルスベに仕上がる。
水性の塗料で室内での作業がやりやすく、市販のテーブルのような耐久性のある塗膜を作れる。
300g入で3000円近くする高めなニスで、しかも2液タイプが戸惑います。塗り始める前に主材と硬化剤の配合を気にする必要があって、初めて手を出した時は緊張しました。しかし仕上がりの塗膜は硬く、手触りもサラサラとしていて保護剤としての安心感は最高です。
通常のウレタンニス塗装や、ワックス・オイル塗装と比べてどう違うのか。また、どんな塗り方をすればきれいに仕上がるのかを解説したいと思います。
水性ウレタンニス、ワックス、オイル塗装と比べてどうなのか?
水性ウレタンニスを使うと・・?
通常の水性ウレタンニスの方が安いですし、1液で済むので保管の管理も楽なのですが、テーブルで使うには耐久性が物足りません。熱めの食器をダイレクトに置くと、型がついてしまいます。水拭きはできるんですが、熱にあまり強くないので食事をする時に使うなら、ランチョンマットやテーブルクロスは必須。
もし塗り直しをするなら、面全体の塗膜を剥がしとる必要があるし、再び数日間の施工時間をとられる手間がかかります。耐久性が足りないと綺麗な状態を維持するには面倒なことになるので、テーブルなどの汚れがつきやすい場所で使うには向きません。
オイルやワックス仕上げってどうなの・・?
オイルやワックス塗装はもっとデリケートなので、そもそも普段から汚さない(濡らさない)工夫が必要です。
しかしニス塗装と比べると、塗る時はウエスでいけるのでメンテナンスがしやすい。乾燥まで最低でも24時間は必要とはいえ、完全乾燥を待たずとも手につかなくなるくらいになれば使えます。
多少の補修ならすぐ終わるところがいいんですよね。気になる箇所をヤスリで整えて、ウエスでちょいちょいと塗っておけば間に合わせられます。(丁寧にやるならもうちょっと手間かけたほうがいいですが・・)
耐久性が欲しいならワンランク上のニス
仕上がりの風合いもこだわりたい気持ちはもちろんですが、トータルの施工時間や生活上の使用感を考慮した塗装も大事です。普段のお手入れや使い方に気を使わずに済むなら、多少面倒な塗装になるニス仕上げも悪くない。
そこで水性ウレタンニスとほとんど変わらない手間と塗りやすさで、耐久性をアップすることができるのが「アサヒペン 水性高耐久2液ウレタンニス」です。
高耐久タイプは一般的な水性ウレタンニスよりも、さらに硬い塗膜を作ってくれます。水拭きするテーブルや床で使うにはもってこいなことはもちろんですが、なんといっても最大耐熱温度が100度というところが魅力的。水性だけに作業時の匂いがほとんど気にならないのもいい。
鍋から熱々の料理をお皿に入れてテーブルへ置いても大丈夫ということで、DIYしたテーブルも市販のテーブルと同じような感覚で使っていけるようになります。
ちょっと高めなニスだけに失敗しにくい気がして手を出しにくいのですが、使ってみると満足度は高いです。
耐熱性・耐磨耗性に優れた強靭な塗膜
水性で臭気が少なく、環境対応型の塗料。
耐熱性・耐摩耗性・耐溶剤性・耐薬品性に優れた塗料
テーブル天面での耐熱性やフローリング等の床面の傷つき防止に優れた効果がある。
黄変することがなく、美しいツヤに仕上がる。
うすめ方:塗りにくい時は、水(5%以内)でうすめて下さい。
用具の手入れ:塗料が乾かないうちに水か湯で洗って下さい。ハケ類は更に半日以上水に浸して下さい。
建築基準法対応塗料:建築基準法規制対象外建築材料(建築基準法で定められたホルムアルデヒドの放散量が最も少ない区分で、居室内に無制限に塗装できる。)
水性2液型ウレタン樹脂塗料
水性高耐久2液ウレタンニス|水性塗料|製品情報|アサヒペンより引用
中身と準備したほうが良いもの
箱の中身は以下のセットが入っています。
濾過フィルターは主剤を濾しながら、シェーカーに入れる時に使います。主剤に膜が張っていたり、塊ができていることがあるので、そういったものを除去するためのろ過です。
2個しか入っていないのですが、細かいゴミを取り除ければいいだけなので、足りなくなったらだしパックなどの茶こしフィルターを使っても大丈夫です。
濾さなくても塗れますが、ニスを塗っている最中にゴミが入っていると取れないし意外と目立ちます。塗っている最中だってゴミが飛んでくることも確かにありますが、できるだけ不安要素は取り除くにこしたことはないですね。
水性とはいえ、手について固まると厄介なので、使い捨て手袋があると便利です。うっかり指紋をつけてしまうことも防げます。安いのでいいのですが、ニス塗りは気を使う作業なので、できるだけ手にフィットするタイプの方がストレスなく使えでしょう。
割り箸は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせた後にかき混ぜる時に。シェイカーをフリフリして混ぜてもいいけど、それをやると結構泡立ちます。泡は蓋をして30分くらい時間をおけばなくなるんですけど、そんなに待てないなら、割り箸でぐるぐるとかき混ぜましょう。泡立ち少なめで混ざります。いづれにせよよく撹拌させて使うのが2液混合タイプのニスのポイントです。
混ぜ合わせる割合
混ぜ合わせる割合は、
主剤:硬化剤=5:1
この割合さえ守れば、高耐久2液ウレタンニスとして塗り始められます。
混ぜたからにはすぐに塗り始めなくてはいけない・・!というわけではありません。シェイカーの蓋をしめておけば、焦らずともゆっくり初めて大丈夫です。
うすく塗った箇所は早い段階で固まり始めますが、ニスの液体そのものは蓋を開けたまま数時間放置をしない限りは固まりません。ですが、硬化剤は開けたら一瓶使い切ってしまうのが本来の使い方です。(取説にもそう書いている)
少量で使いたい時は
とはいえ、少量使いたいんだけど・・というときもある。
その場合は、紙コップなどで主剤と硬化剤の分量を測って混ぜ合わせて使うようにします。そうすると少量でも使うことができます。
100円ショップに小さな紙コップが売っているので、そういうのを使うと便利です。
ただし硬化剤は一度開けたら、空気中の水分などに反応して硬化が始まります。数日でガチガチに固まって使えなくなるわけではないですが、開けた瓶はできるだけ早めに使い切ってしまうように、塗装のプランをたてましょう。
塗料の分量と塗れる面積
塗料を使える面積の目安は、以下をご参考に。
規格 | 内容量 | 2回塗りの目安 |
---|---|---|
吸い込みのある面 | 300gセット | 1.2~1.6㎡ |
吸い込みのある面 | 600gセット | 2.5~3.2㎡ |
吸い込みの少ない面 | 300gセット | 1.8~2.3㎡ |
吸い込みの少ない面 | 600gセット | 3.7~4.7㎡ |
大きいサイズを買ったほうがお得感を感じますが、基本は使う量にあわせて準備したほうが管理の面でも安心できます。
何年も置いていると、塗料も劣化します。できるだけ適正量を考えて購入しましょう。
塗り方
2回塗りが基本ですが、ツルスベに仕上げるならヤスリがけを施しながら3~4回ほど塗ったほうが仕上がりがよくなります。
塗装の手順は以下の通りです。
着色は前日までに済ませておく
アサヒペン 水性高耐久2液ウレタンニスは、色がついているタイプもあるんですが、私はニスは透明タイプを使っています。
同じように着色をする場合は、同じく水性のステインか水性のペイントをおすすめします。
水性ステインは好みに応じて重ね塗りしながら色味を調整できます。
薄めに仕上げたい時は水で薄めて塗っていけばいいですし、濃くしたいなら乾いたら重ね塗り・・をヤスリがけを交えておこなっていけばよいです。
ペイントに関しても同様で、一度塗りで仕上げようとせずに薄く重ね塗りが基本になります。
1度塗りした状態では、表面が毛羽立ってしまうので、完全に乾燥させて2回目を塗る前にやさしく撫でるように#400くらいでサンディングしてから次の重ね塗りをします。
好みの色合いまで繰り返したら、最終的にニスを被せる前の段階で再度#400~600くらいのヤスリで整え、粉は乾いたウエスできれいに拭き取っておきましょう。
ニス塗りは、表面を丁寧に整えるほど塗りやすく、仕上がりがよくなっていきます。
水性ウレタンニスの重ね塗りのやり方
高耐久の2液混合タイプのニスは事前に主剤と硬化剤を混ぜる必要がありますが、塗り方は水性ウレタンニスと同じです。
2回目の塗装あたりからヤスリがけをして3回目塗って・・という具合に仕上げます。
できるだけキレイに塗るためのコツ
そのままの原液でも塗れますが、早く乾きすぎて塗りにくい、伸びが悪いと感じたら、5%くらいの水を加えて薄めて塗ってみましょう。
ハケを水洗いして垂れない程度にしごいてから、ニスの液体をハケに馴染ませるようにして使うと滑りが良くなります。ちょっとだけ乾きも遅れ気味になります。
刷毛の状態がよくないと泡がつきやすくなります。ステイン着色の時は泡があっても気になりませんが、ニスはそのまま固まってしまううえに、修正が効きません。できるだけ慎重に。
何度もこするように塗ってしまうと、刷毛跡がつきます。垂れない程度のニスを刷毛に染み込ませたら、一列は追加無しで伸ばしていく。次の列を塗る時にまたつけて・・と繰り返していきます。つけ直しが多くなるほど、跡が目立ちやすくなります。
スポンジタイプのコテを使うやり方もありますが、どちらを使うにしろ、塗る面積に合わせた大きさの道具を使うことを心がけたいです。その気遣いが塗り残しが防げたりムラのない仕上がりに近づきます。
1回目が塗り終わったら
1回目を塗り終えた段階で、混ぜ合わせたニスはまだ残っていると思います。シェイカーの蓋はしっかりと締めておき、刷毛は水に浸しておくことで固まらずに2回目以降の塗装にも続けて使えます。
刷毛はラップで巻いておくのも有効ですが、日をまたぐと固まってしまうので水につけておくのが一番安心ですね。
2回目以降の重ね塗りの段取り
乾燥時間は、パッケージには30分~1時間とありますが、湿度45%・室温25度の部屋に1時間置いた状態でも表面がサラサラになっているわけではありませんでした。指でちょんちょん触っても指紋はつかないけれど、この時点ではちょっとべたつく感じ。
1時間の乾燥時間では、どう考えても足りない状態です。
重ね塗りする前に表面を少しサンディングする時は、塗り重ね時間の目安の「4時間以上」を守りましょう。それくらい置くと、表面が固くなっています。
4時間以上経過していて、表面がサラッと固くなっていたら#400~600くらいの番手でやさしく表面をなでてザラつきを落とし、粉はきれいに拭き取っておきます。その後、再びニスを重ね塗りします。
現実的な塗装の段取りとして、朝塗って、夕方に状態をみて、一晩置いてみる・・といった流れが、私の作業の流れです。
なので2回塗りなら完全乾燥まで2日はかかるし、キレイにしあげるなら更に日数を要します。ニス塗りは焦ってはいけません。穏やかな心で向き合うのです。
3回目を塗るときも、同様。乾いたら状態をみてサンディングして拭き取って次を重ねる。そのようにして仕上げていきます。
ツヤありのタイプをつや消しに仕上げる
ツヤ有りタイプよりもつや消しタイプの方が好みなら、最初からつや消しを買えばいいようなものなんですが、私はツヤ有りを使っています。(つや消しの方が高かった・・)
ツヤ消しにする場合は、最終的に軽くヤスリがけをして表面を曇らせればそれなりに仕上がります。
この方法は、水性ウレタンニスを使っているときもやっていました。
OSBボードに塗装をしてスベスベの手触りにする方法 | ぴらめこのDIY
しかし高耐久タイプは塗膜が硬いので、ナイロンタイプのヤスリがほとんど効きません。マットに仕上げるなら、ペーパータイプのヤスリをお使いください。
作業のしやすさがDIYのハードルを下げる
兎にも角にも、「水性」の塗料というのはいいものです。水性は水で薄めて使うことができますし、使用後の容器も水洗いで済みます。塗装時や乾燥中も油性のようなキツめの溶剤の匂いを出さないので、室内での作業がとてもやりやすいのです。
油性の方が乾きが早いとか耐久性があるとかメリットが多いのはわかるんですが、室内作業時のハードルが高くて・・。
使ってみると意外と扱いやすいのに驚きます。それなのに市販のテーブルのような耐久性のある塗膜を作れるなんて、DIYの夢が広がりますよね。
ちょっと高い塗料なので無駄遣いしいくいというか、ここぞという場所でないと使いにくいですが、仕上がりは結構感動しますよ。気になる方はチャレンジしてみてください。
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