スツールの高さをDIYで調整して、もっといろんな使い方ができるようにした話です。
収納つきスツールってこういうもの
我が家には約30cm四方の小ぶりの収納つきスツールがありました。
部屋のどこに設置してもちょっとした物を置いて使えるし、固定位置にして腰掛けポイントにしてもいいものです。
30cmというのは、ソファーとセットで足を伸ばせるオットマンとして使うにもちょうどいい高さ。
使わない時は、薄く折り畳んでしまっておくこともできます。
軽量なのに安定感あるしっかりとした作りで、座面のクッションもきいていて座りごこちはなかなかいいです。
このスツールに台車をつけて、適度な座面高へ変更して使い勝手の幅を広げてみました。
ダイニングテーブルなどでも使える仕様に。
このスツールは収納も兼ねているけれど、もとを辿れば「椅子」。
椅子としてのポテンシャルを引き出して、もっと可能性を見出していけば使用場面が増えていいのでは・・ということに気が付きました。
スツールの座面の高さは30cmとだいぶ低め。なのでローテーブルならまあアリだけど、ウチにある高さ71cmのダイニングテーブルに使うには全く向いていません。でも座面の高さを40cm近くまで高くできれば、その高さを机にしてもこのスツールを使っていける。普通の机の高さでも使える椅子になればどの部屋でも使えるようになるわけで、一層使い勝手がよくなるはず。
しかもわたくし達家族は小柄な一家なものですから、座面高は38cmくらいが何かに付けて丁度いい高さの椅子なのです。なかなか38cmの高さの椅子って売ってないんですよ。
そんなわけで、座面高40cm~38cmくらいの高さへDIYでなんとかならないかと考慮してみました。
台車をつけて嵩上げ
高さ調整をするには何をすればいいのか。
一番手っ取り早く嵩上げできる方法は、キャスターを活用することでしょうか。
ちゃんとしたキャスターを使えばかなり便利に使えるようになりますしね。
さすがにスツールにダイレクトにキャスター取り付けることはできませんけど、専用の台車を作ってそこにスツールを乗せて使うなら大丈夫であろうというわけです。
どれくらいの荷重がかかるのか。高さはどれくらい必要か。そのあたりを考えて材料を用意していけばよいです。
キャスターの選び方
素材は床に傷をつけたくなかったのでゴム素材のものを選ぶようにしました。ウレタン素材のものもフローリングで使うなら音が静かでいいですよね。
素材とかロックつきとか私はそういうのは好みで選んでいいと思ってますけども、一番重要視しないといけないのが、それを使うことでどれくらいの重さに耐えられるのか。
耐荷重が範囲内でバランスがとれていれば、座って使うこともできるのです。
キャスターの許容積載荷重の計算は、
一個のキャスターの耐荷重 × 取り付け数 × 0.8
例えば私が購入したキャスターは、1個の荷重20kgまでのを4個使うので、
【一個のキャスターの荷重】20kg × 【取り付け数】4個 × 0.8 = 64kg
おおよそ64kgまでは耐えられるかなという目安になります。
人の体重分に加えて、使う材料分の荷重もこの中に含まれます。スツール内の収納分の重さももちろん含まれます。
できればフル活用することを想定して、あまりケチってギリギリの計算にしない方がいいかと思います。キャスターは耐荷重が高いものほど金額も高くなっていきますが、本来であれば余裕をみた耐荷重のキャスターをつけておくくらいが安心でしょう。
ちなみに私は上記の計算でキャスターを4個使って64kgまで使えることになっていますが、もっと耐荷重を増やしたいときは真ん中にもう1個同じサイズのを取り付けて合計5個のキャスターを使えばもっと耐荷重があがるのではないか・・
(計算すると、20kg×5個×0.8=80kg)
・・ということが想定できますが、単純に車輪の量を増やすと動かしくにくくなっていきます。それに作り付けや接地面の床の形状などの要因から、すべての車輪に同じ負荷がかかっている・・とは断定できないものです。ただ、数を増やせばいいってわけでもないんですよね。
とりあえず自宅で怪我なく使う程度のものであれば、難しいことはいいから最初から荷重の数値が高めのタイプをつけておくとストレスなく使えると思います。
台車の作り方
厚めな板一枚にキャスターをビス止めすれば台車の形にはなります。が、今回は見た目を良くしたいとか、長く使っていきたいことを思って少々手を加えて作っております。
使っている材料
使っている材料は、以下のとおり。
厚さ18mmの板と高さ調節と強度UPのための厚さ18mmの角材。角材は1×4材をキャスターにあわせてカットしています。底上げの調整の縁取りに使っているのは桐の集成材です。縁取りは飾りみたいなものなので、軽量で安価な桐にしておきました。
縁取りを外すとわかりますが、キャスターと2枚の板の厚み分が底上げされる形になるんですね。私の場合は、
[パイン集成材 18mm]+[1×4材 19mm]+[キャスターの取付高 50mm]=87mm
87mmがスツールの高さを底上げする高さになります。もともとのスツールの座面高が300mmなので、合わせると座面高が387mmになる、という計算になります。
キャスターの取付高は決まったものしか用意できませんが、使用する板材の厚さで調整を量ることができるというわけです。
組み立てのポイント
キャスターは乗せる板材に直接取り付けずに、角材を間にかませて角材の方へ直接取り付けるようにします。
こういった仕様にしておくと、後にさらに高さ調節を量りたくなった時はキャスターと間にかませる角材によって調整がしやすくなるので。どうしても材料を再利用したくなったら、板材と取り付け角材のネジ穴は同じ位置にしておいて、鬼目ナットを埋め込んでおくなどしておけばボルトでキャスターをつけ外し可能にすることもできます。
塗装は組み立ての前に済ませておきましょう。
キャスターを取り付ける面は、縁に合わせて角材を配置し、その上にキャスターをとりつけます。
最終的にこういった具合にすべてビスが見える形でとりつけている・・と。
スツールを乗せる面は少し縁を出して、勢いよく引き出した時に滑り落ちないようにしています。
で、スツールを乗せるとこうなります、と。
実用性について
普段はメタルラックの下方へ格納して収納として使っているんですが、引き出して腰掛けて使うこともあります。
さすがに71cmの高さのテーブルにはこのスツールの高さでは合わないんですけど、座布団乗せて調整できる部分もあるし、以前の低いままで使うよりはずっと使用頻度が高くなりました。
ダイニングテーブルは自作したものなので、どうにでもなります。
好みの家具類が整ったら脚とかは適度な長さでつけ直してもいいかなとは思ってるんですけど、どういう方向になるかはずっと先の話かな。
スツールの蓋を裏返すと、サブテーブルとしてちょっとした仮置の場所としても使えます。蓋の裏にも後ほどぴったりサイズの板を取り付けようかとは思ってるんですけど、トレイを乗せて使えばそんなに気にならないかも。
もちろん、キャスターをつけたおかげで軽々と動かしやすくなって掃除もしやすくなりました。
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