持ってる道具が少ないので正確な板継ぎはできないんですけども、せめて作業効率があがるようにと「冶具(じぐ)」を作ってみました。
冶具(じぐ)とは。
冶具・治具(じぐ)とは、
治具(じぐ)は、加工や組立ての際、部品や工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具の総称。
治具 - Wikipedia
です。
作業しやすくするための補助道具という感じでしょうか。
私の中では市販品を使うというより、完全に自分向けな道具を作るイメージの方が強いです。
1×4材を板継ぎするためだけの冶具。
大きな1枚板ほど値段が高いので、よく1×4材を使って板継ぎをしています。
本棚の側板を作ったり、
オープンラックの棚板を作ったり、
ディアウォールにつける棚板を作ったり・・・と、家の中は着々とワンバイ材で埋まっていってる気もしますが、価格的にも加工のしやすさからも使いやすいので致し方なし、といった現状であります。
そして今後もまだワンバイ材で作りたいものがあるので、もっとスムーズに板継ぎできないものかと、自分で補助道具を作ってみた次第です。
これによって作業時間が大幅に短縮できたので、私の中ではスゴイモノを作ってしまったという高ぶりがあるんですけども、冷静に考えるととてもニッチな話なので、ご参考までにどうぞ。
出来上がって現在使用中の冶具がこれです。
板継ぎの途中にドリルでまっすぐにおろして穴をあける工程があるんですが、その際1×4材をしっかり固定させる必要があります。
今までは1×4材を端材で挟んでクランプで固定してからドリルガイドを使っていたのですが、その都度クランプで固定するのが面倒なので、そこを冶具を使ってはぶくことにしました。
全部余った材料で作りました。2×4材とベニヤ板からできています。
1×4より太さのある2×4材で1×4を挟む・・・ということで、ちょうど1×4材がピッタリはまる隙間を作っています。そして、使っているドリルガイドがちょうどハマる位置にベニヤ板を固定しました。
冶具だけ見ても何のことかわかりにくいと思うので、実際やっているところを説明します。
冶具を使って1×4材を板継ぎする流れ。
まずは、板継ぎする1×4材を用意。
実際に合わせてみて、方向を変えたり裏返してみたりして、できるだけ隙間ができない合わせ目を探します。
これだな、という位置が決まったら自分で表と裏と合わせ目の順番が分かるように印をつけておきます。
同時に、穴をあける位置も目印をつけておくと作業中に迷いません。節に当たるとうまく穴があけられないことがあるので、なるべく節は避けて印つけしておきます。
印をつけたら、冶具に1×4材を挟みます。
ドリルガイドをセットします。ここがポイント。
通常、ドリルガイドもピンなどを使って固定しないと真っ直ぐドリルを下すのが難しいんですが、そこまでせずともこの冶具は左右にスライドさせる位置調整だけでよくなるので、安定感が全く違うのですよ。
あとは、印を付けたところに合わせてギュイーンと穴あけ。(見やすくするために手を据えていませんが、実際はドリルガイドをちゃんと抑えてドリルをいれます)
反対側の合わせ目はマーキングポンチで印をつけて、
印のついた1×4材をまた冶具に挟んで、ドリルガイドを使って穴あけします。
ここまでうまくいけば、あとはたいして難しいことはありません。
ボンドを付け、気ダボをはめ込み、双方の板を合わせます。はみ出たボンドは乾かないうちに濡れぞうきんできれいにふき取りましょう。
3枚つなぐとこんな風になります。必要に応じてクランプを使って圧着すると見た目も強度もUPします。
きっちり作ろうと思わない方がいい。
憶えておいてほしいのは、1×4材の木端(こば)がきれいに直角になっているとは限らないということです。
見た目は垂直にみえても、垂直な面に置いてみると実は曲がっていることがあります。
これだと何が問題なのかというと・・・
木材に対しては垂直に穴あけができても、木端が曲がっている板にあわせてしまうと、板どうしを繋いだ時にガタガタになってしまうのです。
なので木端に合わせるのではなく、面に合わせて穴あけするようにします。
冶具を使うと面に合わせた穴あけができるようになるので、そこら辺の処理がラクになるのですよ。
それでも板継ぎした時にある程度隙間ができちゃうんですけども。そういうものだと思って1×4材から大きな板材を作るしかありません。
既製品みたいに仕上げるのもいいですが、手作り感ある仕上がりも愛着がもてますし、精一杯手作りをしてみましょう。
どうしても仕上がりをよくしたいなら、なるべく真っ直ぐな木材を選んで買ってくるか、高くても合板か集成材を使うしかありません。
ドリルガイドやマーキングポンチなどの道具はそんなに高いものですけど、これらを使ってもうまく穴あけができない場合、自分で冶具を作ってみるのも悪くないですよ。
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