DIYでよく使っている材料のひとつ、「OSBボード」について。
主な特徴
OSBは「Oriented Strand Board」(オリエント・ストランド・ボード)の略です。配向性ストランドボードとも言われます。
パーティクルボードの仲間ではあるんですが、カラーボックスなどの家具に使われているようなボードとはまた違う形です。それよりももっと荒く削られた木片が使われています。
現物を見るとよく分かりますが、木材を削って細かくした物を高温プレスでギュッと圧縮した人工の板です。使われている木材は広葉樹の建築材料のあまりを細かくして再構成した、そんなところかと。こうした人工の板は生えてる木を無駄なく使えるというメリットを持ち合わせています。
木片の大きさは違いますが、MDFボードと近い作り方でしょうか。
素材の雰囲気
圧縮の際に接着剤が使われているので、買ってきたばかりの頃は独特な匂いがあります。永久に臭うわけでなはく、日数が過ぎればちゃんと消えますが・・
まあ木はなんでも独自の匂いがあるんですが・・接着剤の匂いなのか木の匂いなのか、慣れない匂いだと具合が悪くなる方もいるかもしれません。過敏な体質であれば特に。
大抵どこのホームセンターでも置いてますので、実物を見て使うか考えましょう。
もちろん、ネット通販でカットもお願いしつつ購入するパターンもアリです。
面は全体的にはフラットなんですが、表面は木片の凹凸があります。接着剤が固まっている状態なので適度に光沢もあります。作られた板なので無垢材のように反るようなことはないんですが、決してツルツルの表面ではないので天板として使うには、一工夫した方がいいかなと思います。
板にはスタンプが施されています。強軸方向がついていたりするので、表示に従って備え付ける向きを考えると良いでしょう。裏表はよくわかりません。見た感じキレイな面を表にしてもいいですし、あえてスタンプを見せる形でもよいかと。
表面は光沢があるので塗装をせずとも使えますが、何も塗装をしていないとだんだん濃い色味になってきます。
高湿度環境には適さない?
湿度が高い環境で使うには耐久性はイマイチといわれています。水回りや高湿度な環境で使うのは避けるのが一般的なんじゃないでしょうか。
ただし、物によっては防水加工されたものやラミネート加工されたものなんかもあったりするらしいので、どうしてもOSBが使いたい時はそういうのを探してみるのもいいかもしれません。
また、自身でウレタン塗装を施すとある程度は防水加工にはなります。防水というか耐水というか水拭きできるレベルにはできるというか。
よく使われている場所
構造用パネルとして、住宅の見えない部分で使われていたりします。壁下地材や、屋根下地材として柱に打ち付けられて使われてる感じです。他にも家具や建具、内装材などなど、用途はあちこちにあります。
住宅を新築する前の段階で構造見学会をやっていて、壁紙や床板が貼られる前の状態を見せてくれる工務店もあります。そういうところで聞いてみるとOSB合板を使うことのメリットが聞けたりします。工務店によって使うか使わないかいろいろあるかと思いますが。
また、ガレージなどで加工場を自作される方はよくOSBボードをむき出しで使われていることがあります。あれはあれで渋くていいですよね。
強度もありながら加工もしやすく値段もリーズナブル。
そんなわけで、最近では家具やインテリアの一角にOSBを使う場面も増えています。
お店で手に入りやすいサイズ
ホームセンターでも普通に置いていますが、サイズは910×1820mmのサブロク版。(3尺×6尺の寸法なのでサブロク)
厚みは約9、12、24mmと規格はありますが24mmを置いてるところは珍しいんじゃないでしょうか。私の住んでるところではホームセンターが複数件ありますけど、どこも9mmくらいしか置いてないです。
厚みがある方が強度はありますが、9mmでも工夫すればそれなりに使えます。
価格はだいたい、サブロク9mm厚で1000円~1500円くらい。12mm厚(11.5mmの場合も)で2000円程度・・・というくらいです。お店によって上下するので、そこはやっぱり実物を見て決めてください。
加工方法
電動工具が自宅にない場合は・・
木工を扱う感覚でノコギリで普通にカットができますが、大型の資材なのである程度の大きさまでお店でカットしてもらったほうがラクです。
丸鋸とか持ってないと、合板をカットするのは大変ですし、そもそも車に積むのもトラック借りないと厳しいサイズなので・・。
先に設計図を書いて、木取図を作り、それからお店へ向かいます。
店舗で910×1820mmサイズを購入し、カットをお願いする、もしくは自由に使える工作室があればそこでカットしてくる。細かい調整は、自宅で行う感じで。
自前でカットする場合
車に積み込める大きさであれば、細かい部分は自分で加工するだけでよいでしょう。木工用のこぎりでカットできます。
加えて、どういうわけかOSBボードは「竹プラ用のこぎり」がよく切れて使いやすいです。竹の硬さに近いからかな・・?
ヤスリを使う時の注意点
切断面は必ずヤスリがけをしっかりと行い、鋭い角を取るようにしましょう。カットした断面はかなりトゲが刺さります。しかも結構鋭利でよく切れる。素手で触ってると簡単に指が切れるので、必ずヤスリがけを行うようにしましょう。
私は横着して手袋をつけずに作業することも多いんですが、そうすると指をよく切ります・・。杉とかパインのトゲよりも固くて鋭利で、本当に痛いです・・。できればグリップ力のあるグローブを使うことをおすすめします。
カットしたての木口は硬いので、最初は紙やすりよりも、金属タイプのヤスリで整えるのが楽だなあと最近はこればっかり使ってます。
カットしたての木口は硬いので、最初は紙やすりよりも、金属タイプのヤスリで整えるのが楽だなあと最近はこればっかり使ってます。
また、木くずはワンバイ材などの無垢材をカットするよりも粉のような細かいクズが出やすいです。防塵マスクを使うなど配慮したほうが安心です。
接合時に使うビスについて
ビス止めする時は、木工用ボンドも併用しましょう。 OSBは固く割れやすいので釘はおすすめしません。
使うビスは使う材の厚さによるかと思うんですが、私は9mmのOSBを使うときは「スリムビス」を好んで使っています。手元になくて新しくビスを買うのであれば、フレキ付きビス(フレキス付きコンパネビス)、コンパネビス、パージビス(パーチクルボード用のビス)を選びます。
OSBは無垢材と違ってネジの食いつきはあまりよくありません。なので、できるだけネジの溝が深くなってるものがいいかなあと思って選んでます。
長さと太さは、接合する材料に合わせて決める・・というのは、無垢材や集成材を使う時と変わりません。
ホームセンターにいけば、どれかは必ずあるので探してみてください。
また、下穴は開けたほうがいいのはもちろんですが、皿錐があればそのほうがビスの頭がきれいに収まって見栄えがいいです。
板が薄いと大変ですが、ダボを使ってビスの皿を隠すようにすれば仕上がりはきれいです。それってOSBに限らずですけど。
塗装する方法
塗装はせずともそれなりのツヤと風合いがあるOSBボードなんですが、色を塗るとそれなりにまた違った味わいが出てきて面白いです。
ただし、そのまま塗料を乗せても接着剤のせいで塗料をはじいてしまって色が乗らないんですよ。つくことはつくけど、うっすい色しかつかないというか。
なので、どうしても塗装を施すのであれば、表面をヤスリがけしてして塗料が乗りやすくしてから色を付けていきます。
水性ステインと水性ウレタンニスで仕上げた流れがあります。よかったら参考にしてみてください。
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