和気産業から出ている、「Walist(ウォリスト)」というシリーズの金具があります。これが使ってみるとなかなか画期的でありました。
これならDIYに不慣れでも、誰でもいい感じで棚や柱を設置できるんじゃないかなあと思います。私としてはかなりオススメなので、どんなものなのかご紹介したいと思います。
「Walist(ウォリスト)」とは?
「Walist(ウォリスト)」は2×4(ツーバイフォー)材、または1×4(ワンバイフォー)材を接合できる金具シリーズの総称です。
2×4、1×4材で手軽に板を連結できる
一般的に2×4や1×4材をつなげて板状にする場合、木ダボや長めのビスで繋いでいく方法もありますけども、慣れないとまっすぐにつなぐっていうが難しいのです。金具で連結する方がずっと簡単なんですよね。
その場合、I字状の適度な長さの金具でつないでいってもいいんですけども、ウォリストの金具ならひとつで連結と棚受けの2つをまかなうことができます。連結は1枚~3枚まで対応しているので、約9㎝、18cm、27㎝の3パターンの奥行のある棚板が手軽に作ることが可能になるわけです。
2×4(ツーバイフォー)、1×4(ワンバイフォー)材とは
ウォリストの金具を使う場合、使用できる木材は決まっています。厚みが38mmのツーバイ材、もしくは厚みが19mmのワンバイ材のどちらかを選択。
金具と木材を接合するのでビスは使うことにはなるんですが、ポイントは金具が1×4材や2×4材の規格に合わせて作られているので、使い勝手が良いのです。
ツーバイ材やワンバイ材は2×4工法で使われる木材で、ホームセンターなどで手軽に買える木材です。2×4材は木口(断面)が38×89mm、1×4材は19×89mmと太さの規格が決まっています。
取り扱っている長さはお店によりますが、1フィート(約304mm)から12フィート(約3657mm)くらいまでが手に入りやすいサイズかと思います。特売が多いのは6フィート(約1820mm)かな。
ざっくりした話、これらの木材を自分好みの長さにカットし、ビスや釘やボンドを使って接合すればある程度奥行きのある板が作り出せるわけなんですけども、ウォリストの金具を使えばツーバイ材またはワンバイ材の接合がものすごくラクになります。
突っ張りジャッキがすごい
また、ウォリストのシリーズの中には、床と天井をツーバイ材を使って突っ張り式で固定できる独特な金具「突っ張りジャッキ」もあります。
2×4材で天井まで突っ張るタイプには「ディアウォール」や「ラブリコ」がありますが、これらは2×4材1本で柱を作る器具なので勝手が違います。
奥行があると柱というのもなんだか違和感あるんですけども、ウォリストの突っ張りジャッキは2×4材を連結して「側板」として突っ張ることもできるというのが最大のポイントです。
一応使える木材は2×4材とは言っていますけども、幅さえ合えばいいので対応できるツーバイ材がいくつか選べることにはなります。2×4に限らず、2×6、2×8あたりでも「突っ張りジャッキ」を使うことができるんですね。
また、ウォリストシリーズ内の補強金具や、連結と棚受けを兼ねている棚受金具を使えば、楽に大型の壁面収納を実現することが可能です。
ウォリストの束ねる金具の使い方
棚を作る時はまず棚板を用意するところから始まりますけども、それなりの耐荷重を求めるなら厚みもほしいですし、奥行ある棚を希望するなら幅のある1枚板が必要になります。
きれいな1枚板はサイズが大きくなるほど値段も大きくなっていくわけで、これを複数枚用意するとなるとさすがに躊躇してしまうわけです。
しかし、1×4材なら圧倒的にお財布に優しい。1×4材を適度なサイズで材料取りをして「板継ぎ」をすれば、ちゃんと幅のある1枚板に替えることができます。
ワンバイ材をつなげて大きな板に。木ダボを使った板継ぎのやり方。
板継ぎは木ダボとボンドで圧着してワンバイ材を連結するんですけども、この方法だと細々と道具を用意しないとできないことなので、とっつきにくさがあります。しかも穴を合わせるには慣れも必要で誰でも簡単に・・・とはいえないところがあるんですよね。
しかしウォリストの「束ねる金具」を使うと、そんな心配は無用になるのです。
例えば3枚用の「束ねる金具」を使った場合。写真は1×4材の棚板を作ったイメージ。
両端に束ねる金具を挟んでビスで留めるだけです。棚板に長さがある時は時は真ん中にもつけると安心かと思って真ん中にも挟んでみました。
こんな感じで棚板を作り、別途で棚柱を使えば、可変式の棚を作ることができますね。
ダボで板継ぎしなくてもちゃんと棚板ができあがってしまいます。
また、同じ束ねる金具で2×4材も併用できます。
2×4材なら木口に金具を付けて連結することも可能になります。この場合、写真は片側しかつけていませんが、実際は反対側にも設置して使います。
使いやすい棚受け金具
棚板を完全固定の位置で設置する場合は「棚受金具」を使います。
写真のように3枚の1×4材を端を揃えてならべて、束ねる金具と同様にビスで留めるだけで板の連結が完了します。
写真のように3枚の1×4材を端を揃えてならべて、束ねる金具と同様にビスで留めるだけで板の連結が完了します。
ここまで準備できたら、側板部分に接合することができます。
金具には1×4のサイズで折り目がついているんですが、1×4材を3枚並べた状態ではまる感覚は気持ちがいいです。
あとは2×4材で作った側板に金具をはめこんでビスで固定すると、板継ぎも棚受けも兼ねての接合があっという間に完了してしまいうというわけです。
通常は別途で木材を付けて棚受けとしたり、ダボで棚受けを作ったり、外側からビスでイモ付けしたり、更にL字金具を使ったり・・・と、なんだかんだとそれなりに手間がかかるんですけども、ウォリストの棚受金具を使うと、そこら辺の作業を一気に簡略化できるのです。
それでいて、なかなかスリムな出来上がり。なのにわりと丈夫な棚ができあがります。
耐荷重については、側板の厚みと棚板の長さによっても変わってきますし、メーカーで発表されているわけではないので、自己責任でということになりますけども・・・
もし本棚として重さのあるものを乗せることが前提であれば、棚板の幅はあんまり広げない方がよいのではないかと思います。
補強金具も揃ってます
幅広に壁面収納を考えるなら、補強金具もうまく使う必要があります。同シリーズ内に揃っています。
ウォリストの突っ張りジャッキの扱い方。
突っ張りジャッキには、専用ビスとキズ・ズレ防止シートが入っています。
例えば3本2×4材をつなげて使う場合は、写真のように束ねる金具を木口の面につけ、その上から突っ張りジャッキを固定することになります。2×4材を1本しか使わない場合は「束ねる金具」は必要ありません。
突っ張りジャッキが天井に設置する面にはキズ・ズレ防止シートがすでについています。付属でついているシートは、下に。床との接地面に貼る形になります。
高さ調節ネジを緩めて手で押してみるとバネの具合がわかるかと思います。
高さ調節ネジはジャッキの手前部分についています。天井に突っ張る時は、最初は緩めのジャッキにしておいて、位置が決まったら高さ調節ネジでジャッキを硬くしていくとうまくいきます。
そして天井に突っ張るとこうなる、と。
その他のウォリストシリーズについて
テレビ掛け金具
テレビを掛けるための金具、「テレビ壁掛け金具」もあります。
テレビやモニターは大きいものだと壁面への設置が大変なので、専用金具を使えると安心感がありますね。
キズ・ズレ防止シート
接地面に傷をつけないための「キズ・ズレ防止シート」。100均にも滑り止めシート的なものはあるので、無理にこれを使うこともないような気もしますが、ここをケチって床に傷をつけてしまっては元もこうもないので私は買いました。
適度なクッション性があって質は悪くないです。
専用のタッピングビス
ウォリストの金具の穴とワンバイ材やツーバイ材のサイズにちょうどよく収まる1×4材用タッピングと2×4材用タッピング。
皿部分に色がついているので目立たなくていいなと思って買ったんですけども、私としてはコーススレッドかスリムビスの方が扱いやすかったです。下穴をしっかりあけないとビスが入って行かなくて大変でした。1×4材ならともかく、2×4材に使うのはしんどかった。
ビスは無理に揃えることはないかと思います。穴の大きさと適度な長さのビスがあればそれでよろし。どうしてもビスの頭の色にこだわりたいというなら別ですが。自分で用意したビスに油性ペンとかで色ぬった方がいいかなあ。
ウォリストシリーズを使ってみて。
天井に柱を突っ張って壁面収納をつくるのもいいですけども、「束ねる金具」と「棚受金具」を使えば普通に本棚とかも作れるあたりがすばらしいです。
木材は2×4材または1×4材を使って、寸法どおりカット。あとはウォリストの金具であっという間に組立できますからね。金具がしっかりしているので、多少スキマができようが、曲がっていようが、DIYに不慣れでも結構いい感じで出来上がると思います。
よくある3段のカラーボックスくらいの大きさなら、たわむこともなくガッツリ使えそう。
私が使ったものは白ですが、各部品は一部を除き黒も選ぶことができます。
なお、我が家(賃貸住宅)にウォリストを使って実際に作りつけた棚の工程もありますので、興味ある方は参考にしてみてください。
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